文字書きさんに100のお題[013.深夜番組]


品書頁>>書棚>>*050610*

 



 おぼろげに、とめどないノイズが聞こえる。

 ハンターだからなのか、元々の性質なのか、葉佩は眠りが深いほうではない。少しの音、僅かな光でも覚醒することがしばしばある。
「...んー」
 瞼越しに感じられる世界は、完全なる闇ではないようだった。
 仄かな光の刺激に眉を顰める。
 唸り、葉佩は首を逸らして寝返った。ベッドのスプリングが軋み、ぷん、と甘い花の香を枕に嗅ぐ。
 自室じゃないな、と嗅覚に違和感を覚え、ついで、遺跡帰りに他人の部屋へ上がりこんだまでを思い出した。
 ― で、そのまま寝てしまったと。
 記憶は曖昧で、だから、そういうことなのだろう。
 生欠伸をひとつ噛み殺す。しかし躰は起こさず葉佩は顔だけを動かして、厄介になった部屋の主を捜した。パソコンの起動する静かな電子音を捉え、其れが在るべき場所、机を葉佩は見る。
 薄暗い室内で、そのただ一箇所だけがひどく明るかった。
 白光が主の顔を照らしている。強くクセのかかった髪も、紫色のセーターも、そして、普段は光の滅多に差し込まないかの瞳も、今はすべてが晧々としていた。
 葉佩は僅かに逡巡し、ややあって部屋の主の名を呼んだ。
「…。何してる、甲太郎」


挿絵ふうに。


「― 別に。見りゃわかるだろ」
 素っ気無い返事が返る。葉佩のほうをちらりとも見やしない皆守は、頬杖をついて机上のモニタを眺めていた。利き手はマウスを包み、時折り、指が跳ねて、カチかちと釦を押している。一定の速度で眼球がスライドするから、画面を読んではいるのかもしれない。反面、ただ規則的に文字を拾っているだけにも見えた。
 ラジオがついている。絞られた音量だ、スピーカーから遠い葉佩では細部まで聴き取ることが出来ない。かろうじて拾った言葉尻から、天気のことを言っているのだと知れた。
 幽かな光と、淡い音のなか。
 液晶が放つ光源を呑んで、皆守の眼だけが輝いている。
「……綺麗だな」
 微睡むままに、葉佩は微笑い。綺麗だと、呟いた。
「何が」
 皆守は相変わらずモニタを見ている。
「ひかりの入ったお前の眼。すごい、きれいだ。…ビスクドール?あれみたいな、さ」
「…」
 興味無さそうに瞬いただけで、皆守は何も言わない。
「なあ、卒業したら俺の嫁に来ない?」
 非論理的な問いをしたら、此方を向いてくれはしないだろうかと。そう思ってのことだった。
「考えておいてやるよ」
 戸惑ったのは、葉佩のほうだった。
「…え?マジで?」
 思わず上体を起こす。
 すると、計ったかのように皆守が葉佩を捉え、ビスクドールはうすく微笑った。
「期待だけしてろ、莫迦」



■□■before you know 夜明けのビスクドール/皆守甲太郎■□■

葉「なぁんてな、なぁんてなvvv (*> ▽ <*)ノノ(バシバシ)」
夷「………(ぐらぐら)。…先輩、病院行ったほうがイイんじゃないスか。【寒】」

葉「お黙りゃー!!!!!(強アッパー)」

夷「ゥごふぁッ
葉「テメェ、先輩に意見しようなんざ百億光年はえェんだっつーの、あァん?!(足蹴)おいこら、聞いてンのかよォッッ!」 特記事項:非道です。
双「あん、それくらいにしといてあげなさいよ葉佩。…もうモノも言えないみたいだから」
葉「…あー(ちらりと下を見る)、じゃあ双樹サンに免じて。」
双「ふふっ、ありがと。…と、さっきの調子だとイイ夢見れたみたいじゃない?あたしのお手製枕で」
葉「そうそう!いやー、グッジョブ双樹サン!!(親指ぐっ)」
双「あはんv」


葉佩の妄想オチですみません…。(いえ、この後書と本文は関係ナイんですけども。)

Q)どうして夷澤なんですか?
A)そこに居たからです。

Q)葉佩、キャラ違いません?
A)本文用と、後書用です。(爽)

Q)皆守の髪型…
A)現在、理解度40%です。




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